自動車技術部 海外技術グループ※職種・部署はインタビュー当時のものです
I.S2021年入社
大学時代はリチウムイオン電池の劣化解析をテーマに、特に0度やマイナス5度といった低温や、80度前後の高温下での性能変化に取り組んでいました。理系らしく研究一筋というよりは、興味のあることに柔軟に挑戦したいタイプで、研究室も先輩方の雰囲気の良さから選びました。就職活動では業界を限定せず、化学メーカーや半導体など、自分の関心や研究が活かせそうな分野を中心に応募。古河電池は研究室とのつながりもあり自然と知る存在で、電池という社会インフラを支える技術に魅力を感じていました。BtoBのビジネス体系で世間的な知名度は高くないものの、長い歴史を持つ安定感にも惹かれ、内定をいただいたタイミングで迷いなく入社を決意しました。
入社後はまず電池のコストダウン業務に携わり、電池の設計・性能を見直すことで、年間数千万円規模のコスト削減を実現しました。その後、タクシー向け電池の開発に取り組み、実車による2年間のモニタリングを経て製品化まで担当しました。現在は海外技術グループに所属し、主にベトナムの電池メーカーへの技術支援を担当しています。当社で実施した試験データと、現地の試験結果を比較・分析し、試験環境の細かい条件の違いによる性能差を考察。それをもとに現地と綿密に意見交換を行いながら、評価内容のすり合わせを行っています。また、タイやインドネシアなど他国の技術支援や不具合対応、コスト改善提案にも対応しており、必要に応じて海外出張も行い、現地での調整や技術的なサポートにも力を入れています。
現在の仕事で特に魅力に感じているのは、海外との技術支援に関われる点です。もともと海外に少し興味があり、英語は得意ではないですが抵抗もなかったので、「海外案件もある」と聞いて技術部に入りました。実際にベトナムやタイなどへ出張し、現地のエンジニアと直接やり取りする中で、日本とは異なる車やバイクの使われ方、生活環境に触れることができ、自分の視野が広がったと感じています。
また、現在担当している案件が新たな契約や利益に繋がる可能性もあり、自分の仕事が会社の収益に直接結びつく実感が持てるのも大きなやりがいです。収益面での貢献を意識しながら、現地の要望に応える対応力が求められるため、毎回の仕事に責任と達成感があります。日々の業務を通じて、技術者としてだけでなく、柔軟に物事に対応する力も養われていると感じています。
海外で仕事をするうえで、私が特に大切にしているのはコミュニケーションです。いろいろな人と話すこと自体が自分にとって刺激になりますし、社内にいると関わる人が限られてしまうぶん、外に出ていろんな人と関わることで新しい視点や学びを得られると感じています。だからこそ、積極的に自分から話しかけるようにしています。先輩や上司に対しても、失礼のない範囲でどんどん質問したり話しかけたりするようにしています。ベトナム出張の際も、現地のエンジニアと初対面ながら拙い英語で会話し、徐々に信頼関係を築くことができました。語学力以上に「伝えたい」という気持ちが大事で、そういった姿勢が海外での仕事を円滑に進めるカギだと思っています。
社内制度の中で特にありがたく感じているのが、通信教育の支援制度です。私は毎年何かしらの講座を受講していて、最近話題の「リスキリング」のように、スキルや視野を広げる良い機会になっています。これまでには、ITパスポートやAI入門、情報処理関連、TOEIC対策などを学びました。講座の種類が非常に豊富で、DX、簿記、ビジネスマインド、統計など、関心に応じて自由に選べるのも魅力です。年に2回ほど、自分の仕事に役立ちそうな内容を見つけて受講しており、スキルアップはもちろん、自分自身の成長意識にもつながっていると感じています。
今後の目標として、海外駐在にチャレンジしてみたいと思っています。今はまだ出張ベースですが、ベトナムやタイなどへ行く機会を通じて、現地で求められる技術や知識、そして語学力も少しずつ身につけています。タイが候補になることが多いですが、もし今後新たな海外拠点ができる際には、立ち上げにかかわるチャンスがあれば、ぜひ挑戦してみたいです。設計や技術支援のノウハウをさらに深めながら、どの国でも活躍できる力をつけていきたいと思っています。